饅頭名人のやさしい思いが息づく
仁寺洞の憩いの空間、耕仁美術館の目の前にある饅頭専門店「宮(クン)」。饅頭は、餃子にあたる物です。北朝鮮の開城(ケソン)出身のおばあちゃんが作る故郷の味「開城饅頭」が人気を呼び、今や仁寺洞の名物的存在になりました。饅頭名人のおばあちゃんの味は、お孫さんに引き継がれ今でも変わらず楽しむことができます。韓屋のお店に入ると、おばあちゃんとお孫さんの大きな写真。小柄ですが、その表情は優しさで溢れています。メニューは、主役の開城饅頭を使った料理からチヂミ、ポッサムなど豊富な家庭料理が並びます。中でも、饅頭の魅力がシンプルに楽しめる「開城饅頭スープ」がおすすめ。柔らかな湯気が立つ大き目のどんぶりの中には、牛でとった白濁スープに大きな饅頭が5つも浮かびます。まずは、スープを一口。ていねいに出汁が取られているのでしょう、円やかなコクと甘味が広がる洗練された味わいです。大きな名物饅頭は、お皿に取ります。スプーンを使って饅頭を割り、中の餡にスープと特製ダレをかけていただきます。豚肉、ニラなどの野菜、豆腐、キムチなど多彩な具材が入った餡と、もっちりの皮の相性が絶品です。その味わいは、どこまでもやさしい。饅頭だけでも美味しいですが、スープと一緒に食べられるのがこの一杯の魅力です。ボリュームがありますが、さっぱりといただけるのはやさしく丁寧に作られているから。気がつけば、スープまで飲み干してしまいます。饅頭名人のやさしい思いが詰まった饅頭で、気持ちもやさしくなれるそんな一杯でした。