済州島の隠れ家で味わう幸せ煮込み
済州黒豚の煮込み
흑돼지 짜글이
済州黒豚の煮込み/一人前9000W(2016年3月現在) |
済州島のワールドカップ競技場前の大通りを挟んだハンラサン側は、近年ニュータウン(新西帰浦)として開発が活発に行われているエリアです。高層マンションや宿泊施設が次々と建設されており、済州島らしい原風景が失われつつあります。その新西帰浦の少し外れ、好近洞にはまだ素朴な集落が残っていました。この集落に、オリジナルの煮込み料理ひとつでファンを魅了する隠れ家的名店があります。「ヘンボガン シジョネ」。通りから住宅街の路地を入ると、サインが見えてきますのでお見逃しなく。お宅にお邪魔するかのような雰囲気の門を入ると、緑に囲まれた済州伝統様式の家屋が。前には素敵なお庭があり、自宅レストランのようでご夫婦らしきふたりが温かく迎えてくれます。営業時間は、平日11時から15時。お子さんが学校に行っている間だけのようです。店内は、韓屋のオンドル形式でこじんまりとアットホームな雰囲気。テーブルが小さいため、大人数で固まって座る事はできません。メニューはひとつ、「黒豚の煮込み」。済州の特産でもある黒豚は良質な物、調理に添加物を使わない自然な味わいにこだわっています。試行錯誤して、このオリジナル煮込みが完成したようですね。まず、家庭的な味わいのおかずが並びしばらくして、コンロの上に乗ったお鍋が登場しました。厚切りの生肉に、大きくカットされたタマネギ、ネギ、キムチとシンプルな構成です。お店の方から説明がありますが、とにかくよく煮込むのが美味しいポイントです。汁気が半分ぐらいになるまで、じっくり煮込んで行きます。コチュジャン風味がよく、何と言ってもタマネギの甘味がしっかり出てきます。これをしっかりまとった、黒豚の美味しいこと。まろやかジューシーで、良質なお肉のためシャキシャキ感があります。ごはんが進むことは、言うまでもありません。お腹も満たされると、口直しに季節のフルーツとダッチコーヒー、さらにお土産に手作りクッキーまで。この心配りがうれしいですね。短い営業時間は、お子さんと家族で過ごす時間が中心のため。心にゆとりがあるからこそのマインドかもしれません。素敵なライフスタイルを、美味しい料理を通して垣間みる事ができました。
まさに隠れ家。看板を見逃さないように |