韓国ご当地、うまい食堂の美味しい一皿。: 7月 2015

2015/07/30

「黄生家カルグクス」ソウル／三清洞

すべてが洗練された上品おうどん

牛骨手打ちカルグクス

사골손칼국수

ソウルの落ち着いたエリア三清洞。美術館の裏手に、行列のカルグクス店「黄生家カルグクス」があります。韓国のカルグクスは日本の手打ちうどんにあたりますが、旨い店と不味い店がはっきり分かれる麺料理でもあります。ソウルには、化学調味料を多く使用したり、手打ち麺でなく乾麺やインスタント麺を使っているお店が多いからです。そんな中で、洗練された上品なおうどんが味わえる黄生家カルグクスは、貴重な存在です。看板メニューの「牛骨手打ちカルグクス」は、ブランド牛の韓牛の牛骨でダシがとられたスープに、キノコ、玉葱、ネギ、ズッキーニ、牛肉、そして手打ちの麺とシンプルな構成。二種類のキムチも付いてきます。まずは、とろみのあるスープです。丁寧にダシがとられ、コクがありながら実に円やかな味わいです。ツルツルとした食感が魅力の手打ち麺に、上品なスープが絡み絶妙なバランスです。箸休めには、白キムチのさっぱりとした酸味がまた心地よい。するするといただけるカルグクスで、気がつけばスープまで飲み干してしまうほど。後味もすっきりの美味しい一杯です。

手打ち麺のツルツル食感がたまらない

プルッととろみのある上品な牛骨スープ

洗練された白キムチで箸休め

スープまで飲み干してしまう上品さ

黄生家カルグクス
황생가칼국수

◎電話：02-739-6339

◎休業日：旧正月、秋夕

◎営業時間：11：00 - 21：30

◎住所：ソウル特別市鍾路区昭格洞 84

　　　　서울특별시 종로구 소격동 84

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2015/07/28

「元祖チョバクチッ」ソウル／麻浦

ソウルで一番！丁寧な下ごしらえが光る

やわらか豚カルビ

돼지갈비

ソウルの孔徳、麻浦エリアで豚カルビと言えば、チェデポ（崔大匏）があまりにも有名ですが、私は老舗の「元祖チョバクチッ（趙朴家）」を押しています。古い建物も、綺麗にリニューアルされました。オフィス街という事もあり、平日でも夕方６時を過ぎると満席になる盛況ぶり。メニューは、名物の豚カルビと韓牛の揉み込みのみ。オーダーを通すと、すぐに炭火がセットされ、小さな器に入った「トンチミククス」が運ばれてきます。まずは、この爽やかな酸味の水キムチ麺で胃をすっきりさせます。ボールに、こだわりのタレに漬け込まれた豚カルビが登場。下ごしらえの丁寧さが伺える佇まいで、５ミリ程の厚みに切りそろえられ、脂部分が押さえてあります。タレの漬け込みもしっかりではなく、カルビを活かすよう適度な瑞々しさを感じられます。セルフ焼きですが、良く焼き焦げを処理しながらじっくり焼いて行きます。焼き上がりは、まずそのままで。他店ではタレの甘さが強い所がありますが、こちらは控えめでカルビの旨味を上手に引き出しています。そして、とにかくお肉が柔らかい。脂っぽくなくくどくないので、後を引きます。一緒に冷えた焼酎が、ススムススム。サンチュに包んで食べても、味わいに変化が出ます。後半は男らしく、ごはんを注文すると小さな味噌チゲがまたうれしい。ごはんとの相性は言うまでもありません。カルビを食べては、白飯を搔き込めばもう至福です。この満足感、いつまでも変わらないでほしい老舗の豚カルビでした。

豚カルビの前に、名物のトンチミククスで胃をさっぱりと

丁寧な下ごしらえが光る豚カルビ（二人前）

炭火で良く焼きます

驚きの柔らかさ！

骨回りのお肉もしゃぶりつく

ごはんを頼むと小さなテンジャンチゲがまたうれしい

ごはんとベストマッチ！もうなにも言うことはありません

◎

元祖チョバクチッ
원조 조박집

◎電話：02-712-7462

◎休業日：日曜日、旧正月、秋夕

◎営業時間：11：30 - 23：00

◎住所：ソウル特別市麻浦区龍江洞 40-1

　　　　서울특별시 마포구 용강동 40-1

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2015/07/25

「眞味食堂」ソウル／孔徳

変わらないソウルの名店の味

カンジャンケジャン定食（渡り蟹の醤油漬け定食）

게장정식

初夏の６月から７月に旬を迎える渡り蟹。この時期には、予約なしでは入れないお店となってしまった「眞味食堂（チンミシッタン）」。いつも変わらず、美味しい渡り蟹が食べられる名店です。メニューは潔く「カンジャンケジャン（渡り蟹の醤油漬け）定食」一本です。主役のカンジャンケジャンに、日替わりのおかずがついた充実の内容。席に着くとずらりとおかずが並び、カンジャンケジャンが登場します。身は食べやすいようにカットされており、ごま、青唐辛子が色鮮やかに乗ります。渡り蟹は、有名な瑞山（ソサン）から直送しているようで、鮮度は抜群。たまごをたっぷり抱えたメスのみを、こだわりの醤油で漬け込んだ逸品。プリプリとした身は甘く濃厚で、とろけるよう。この醤油加減が、絶妙なコクを引き出しています。とにかく夢中でしゃぶります。甲羅にあるたっぷりの蟹味噌は、固めに炊かれたごはんを甲羅に詰めしっかり混ぜ合わせて。濃厚な磯の風味が口一杯に広がり、ごはんがススムススム。海苔にごはんを乗せて、漬け醤油を少々垂らしても美味しい。まさに「ごはん泥棒」ですね。蟹を食べていると無言になりがちですが、充実したおかずも一緒にゆっくり楽しむ事ができる定食です。ぜひ、旬の時期に訪れてみてください。

おかずも充実した定食内容（二人前）

渡り蟹にはたまごがたっぷり！濃厚な甘味で醤油漬けの加減も絶妙です

甲羅にあるたっぷりの蟹味噌には・・・

固めに炊かれたごはんをよく混ぜる・・・ススムススム。まさにごはん泥棒

ツメ肉は特にモチモチと甘い

豊かな味わいの漬け醤油。旨味が凝縮しています

ケランチムにも醤油をたらすと美味しい

香ばしいカムテグイ（海草）にタコのチャンジャを包んで

◎

眞味食堂
진미식당

◎電話：02-3211-4468

◎休業日：日曜日、祝日、旧正月、秋夕の連休

◎営業時間：12：00 - 15：30、17：00 - 21：30

◎住所：ソウル特別市麻浦区孔徳洞 105-127

　　　　서울특별시 마포구 공덕동 105-127

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2015/07/19

「秘苑」済州島／済州市

済州島で一番うまい！と評判の逸品

参鶏湯

삼계탕

韓国は７月に、暑気払いのため「参鶏湯」を食す文化があります。日本の丑の日にあたる物で、月に三度の機会があり人々は「参鶏湯」モードです。やはり、食べるなら美味しいお店が良いに決まっています。ソウルで一番と有名なのが「土俗村（トソクチョン）」ですが、済州島で一番なのが「秘苑」です。韓国のクチコミでも、良く両店が比較されており関心の高さを感じられます。秘苑は済州市の中心街から少し外れ、森が茂る広い敷地にあります。三階建ての巨大な建物で、済州島でこれほど大きなお店は見たことがありません。参鶏湯だけでここまでとは、圧倒されるばかり。三階建てですが、人で溢れ返っています。皆、あの一杯を求めて集まっているんですね。流れに乗って席に付くと、グツグツと音を立てて「参鶏湯」が登場。大きなトゥッペギ（石鍋）に、白濁のスープからきれいな身の鶏肉が覗いています。特徴的なのがお米です。通常の参鶏湯は鶏のお腹にお米を詰めて炊きますが、秘苑は詰めずに一緒に炊いている状態です。まずは、スープを一口。濃厚な見た目ですが、コクの後に後味はスッキリ。コショウがフワッと香るのも心地よい。煮込まれた鶏肉は、瑞々しく旨味がしっかりと保たれており、ほろりと上品な味わい。そして、このお米の美味しい事。旨味をしっかり吸い込んでおり、上品な「鶏粥」をいただいているようです。とにかく、汗だくです。まさに滋養食。７月はこの一杯を食べなくてはと、思わせてくれる納得の美味しさです。

鶏肉は瑞々しく上品で柔らかい

濃厚そうだったが実にすっきりとした味わい

旨味をたっぷり吸ったお米の旨いこと

参鶏湯のお供は美味しいカクテキで

秘苑
비원

◎電話：064-712-8899

◎休業日：日曜、秋夕

◎営業時間：10：00 - 22：00

◎住所：済州特別自治道済州市老衡洞 100

　　　　제주특별자치도 제주시 노형동 100

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2015/07/16

「文培洞ユッカル」ソウル／三角地

新感覚！辛うまユッケジャンをつけウドンで

ユッカル（ユッケジャンカルグクス）

육칼

ソウル地下鉄４・６号線の三角地駅から徒歩５分。下に電車が走る陸橋を渡り、階段を降りるとすぐに「文培洞ユッカル」があります。ソウルでは珍しいユッケジャン専門店、行列もできます。とても小さなお店で大衆食堂の香りがプンプン、こういう佇まいは美味しいと決まっています。メニューは、ユッケジャンに大ウドンまたは、小ウドンとご飯のセットから選ぶことができます。名物の「ユッカル」は、辛味の強いコクうまユッケジャンに、カルグクス（手打ちウドン）をつけ麺スタイルでいただく新感覚メニューです。カルグクスは、茹でたてホカホカの状態で出てきます。まずは、おかずで付いてくるナムル三種を麺に投入し混ぜます。こうすると、より味わい深くなるようです。そして、ユッケジャンに麺をたっぷり潜らせ、ズルっとすすります。辛味のスープが優しく麺に絡み、どんどん後を引きます。ユッケジャンの味がとても良いです。モチモチ麺の食感も良く、スープとのバランスが絶妙。これは新感覚！スープには牛肉など具沢山で、とても満足できます。しかしこのユッケジャン、どんどん辛味が増してくるのが特徴。気がつけば、全身に発汗。冷えたお水が、またうまい。そして、食後のこの開放感がまたたまりません。一度口にすると、癖になること間違いなしの一皿でした。