静寂の伝統家屋で夏だけの大人の甘味
かぼちゃのピンス(かき氷)
단호박빙수
단호박빙수
ソウル北部にある城北洞は、史跡や美術館などが集まる閑静なエリアです。そして、このエリアでお茶処と言えば「壽硯山房(スヨンサンバン)」があまりにも有名。小説家の李泰俊(イ・テジュン)氏の旧家をそのまま使った趣きのある伝統茶屋です。地下鉄4号線の漢城大入口から歩くこと15分ほど。入口の門をくぐると、落ち着いた庭と伝統韓屋が姿を現します。この空間だけ、時がゆっくりと流れているかのようです。お茶、お茶菓子など多彩なメニューは、すべてこちらの自家製。素材から添加物などを使用しないと、細部までこだわっているそうです。お楽しみは、夏期限定メニューの「かぼちゃのピンス(かき氷)」。私は男ということもあり、甘い物がそれほど好みではありませんが、こちらのピンスはそんな私をほっこりさせてくれます。以前、韓国の巨大パピンスで痛い目にあいましたが、壽硯山房は一人前から注文できなおかつ大きさが丁度よい。雪のような細やかな氷の上に、主役のかぼちゃ餡、小豆餡、かぼちゃのお餅、そしてかぼちゃのスライスが乗ります。とにかく、このかぼちゃ餡が美味しい。かぼちゃ本来の甘味が存分に味わえ、これだけでも十分。この甘味に小豆餡の香ばしい甘味、ふわふわの氷を一緒に味わえば、自然で奥の深い甘味が楽しめます。こういう甘味なら大歓迎。夏の昼下がり、緑に囲まれた落ち着いた中庭のテラスでたまにはかき氷も乙なものです。かぼちゃの甘味が心地よい余韻となりました。
◎休業日:旧正月、秋夕
◎営業時間:11:30 - 22:00
◎住所:ソウル特別市 城北区 城北洞 248